私たちの生活に根ざしている「十八番」というフレーズ、あなたも聞いたことがありますよね?
この言葉は日常的に使われているにも関わらず、正確な読み方について迷う人が少なくありません。
実は、十八番の読み方として「おはこ」と「じゅうはちばん」がありますが、どちらが適切なのか気になるところです。
今回は、そんな十八番の読み方とその意味について、明確にご説明いたします。
ぜひ、この機会に確認してみてください。
十八番の読み方について
十八番という言葉、皆さん一度は耳にしたことがあるでしょう。
この言葉、実は「おはこ」とも「じゅうはちばん」とも読むことができるんです。
一般的には「おはこ」と呼ばれることが多いですね。
この「おはこ」という読み方は、日本独特の「熟字訓(じゅくじくん)」という読み方から来ています。
熟字訓とは、一つ一つの漢字に単独の読みを当てるのではなく、複数の漢字が組み合わさった単語全体に特定の読みを当てる方法です。
例えば、「草」を「くさ」と訓読みするのは直感的にその意味がわかりますが、「そう」と音読みすると意味が直接は伝わりにくいですよね。
熟字訓はこのように、単語としての意味が直接的に理解できる読み方を指します。
特に、「十八番(おはこ)」の場合、「十」「八」「番」という各漢字に個別の読みを適用するのではなく、この組み合わせ全体で「おはこ」という読みが用いられるわけです。
熟字訓は特別な読み方で、その言葉を知らないと読むことができないものが多いのが特徴です。
このように、十八番の読み方には日本語の深い文化と歴史が反映されています。
十八番の意味とその類語
「十八番」という言葉には、読み方によって異なる意味があります。
- 「おはこ」と読む時は、自分が得意とする技や行動、言葉を指します。この用法は、自分の得意な分野や、頻繁に行う特定の行動、よく使うフレーズに対して使われます。
- 「じゅうはちばん」と読む時は、具体的には歌舞伎で用いられる言葉で、「歌舞伎十八番」という伝統的な演目の略称です。これは、その人が最も得意とすること、つまり「得意芸」の意味で使われることがあります。
語源に関して、「おはこ」は歌舞伎用語から来ています。
特に、歌舞伎の世界では、市川家という名門家族が、彼らの代表的な18の演目を「歌舞伎十八番」として定めました。
この選定された演目の台本を、大事に保管するために箱に入れていたことから、「おはこ」という言葉が生まれ、「じゅうはちばん」という元々の呼び名から変化していきました。
このように、「十八番」には、それぞれの読み方に深い背景と意味が含まれています。
十八番とは、人が最も得意とする技術や芸、またはその人特有の行動や口癖を指します。
通常、「得意な技や芸」という意味で使われることが多いですが、それが転じて「よく行う動作やよく使う言葉」という意味合いでも用いられます。
例えば、「この曲は私の十八番です」や「彼がよく使う”万事休す”は彼の十八番」という風に表現されます。
ここでの使用は、一つは「得意な技や芸」を指し、もう一つは「特定の行動や言葉」を示しています。
類義語には「長所(ちょうしょ)」「特色(とくしょく)」「独壇場(どくだんじょう)」「特技(とくぎ)」などがありますが、これらは十八番と似た意味を持ちつつも、完全に同じとは限りません。
それぞれに微妙なニュアンスの違いがあるため、使い分ける際にはその点を考慮する必要があります。
以上で、「十八番の読み方と意味、どちらの読み方が正しいか」についての説明を終えます。
十八番の使い方
「十八番」という表現の活用方法は以下に示します。
- 「島唄」は上司が特に得意とする曲で、彼の十八番(おはこ)なので他人が歌うのは避けた方が良いです。
- 彼女が得意とするのは、社長の真似です。これが彼女にとっての十八番(おはこ)です。
- 宴会が終盤に差し掛かると、部長はいつも十八番(じゅうはちばん)を披露します。
このように、「十八番」は自分や他人が最も得意とすること、または特に自信のある行動や芸を指す際に用いられます。
まとめ
これまでの解説をまとめると
- 十八番は「おはこ」と「じゅうはちばん」の両方で読むことができます。
- この言葉は、個人が特に上手にできる技術や芸術、あるいは頻繁に行う動作やよく使うフレーズを意味しています。
- 同様の意味を持つ言葉として「長所」「特色」「独壇場」「特技」などが挙げられます。
以上が、「十八番」の読み方と意味についてでした。